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55ES改の感想

H.S/033です。
現在入力系にはSCD-1を使用していますが、オーナーの集いで幹事さんを始め、オーナーの方々とトランスポートについて熱い議論を明け方まで交わしました。2日目にじっくりとMS1改+SD05+T3を聴き、55ES改を導入する決心をしました。改造期間中にファンクラブの試聴機をお借りしたところ、これがとんでもない状態になってしまいました。
以下、衝撃!の感想記です。

第一信(到着)

昨夜遅くにセッティング、といってもフローリング直置きで液晶TVと同じコンセントから電源を取り軽く聴いてみました(昨夜と今朝)。1曲聴かないうちにソファで眠ってしまいましたが(笑)、一聴してSCD-1と音の出方が全く違うことに気付きました。

おっしゃるとおりフォーカスが隅々まで合っている音でした。といっても輪郭は強調されていないし硬くもない。SCD-1と比較すると楽器の実在感が出ていて、その分奥行きの音場が広大になっています。オーディオ的S/NはSCD-1の方が『それらしい』S/N感なんですが、音的に整理された演奏のイメージがあります。特に低域がカチッと輪郭補正されていてオーディオらしい低域なんですね。

それに比べて55ESは楽器の鳴りが自然です。オーディオ的S/Nを感じさせない素直な静けさで、録音場所の雰囲気をよく出します。解像度も相当高いですが、これ見よがしなところがないので演奏会場の雰囲気と演奏の密度がグッと濃くなる感じです。生っぽさという面では圧倒的に55ES改に軍配が上がります。

最近クラシックが好きになってきて、システム調整にもクラシックを多様しますが、以前ならば分離・レンジ・音場等のオーディオ的要素で判断しがちだったところ、今は楽器の抑揚、というかダイナミズムに着目して調整しています。その観点からすると55ES改はなんて活き活きと鳴るのでしょう。

常々石田さんはSD05は変極点がないアンプです、とおっしゃっていますが、SCD-1は極めてオーディオ優等生的変極点を持っていたようです。55ESと比較してハッキリと理解できました。55ES改+SD05の組み合わせにすると、那須のログハウスと同じ音の出方になります。MS1改と55ES改の違いは多くの方がおっしゃっている通りだと思います。私的には好み+チューニングの範疇でどちらも好きです(笑)

大切なのはMS1改と55ES改は両機とも変極点を持っていないので、よりSD05が、音楽が自然に鳴るということですね。

55ES改+SD05の組み合わせを聴いてもうひとつ感じたことは、T2やT3は忠実にこの組み合わせの音を再現しているということです。つまり大きな癖がないということでしょうか。MS1改+SD05が開発原器ということを再認識しました。

あと55ESの実物を初めてじっくり見て触りましたがすごい造りですね〜。想像以上の造りでした。これで内部にトランスが3つ入っていて定価10万円とはいやはや今となっては凄すぎますね。週末は条件をSCD-1と同等にしてさらにじっくり聴きこんでみたいと思います。


第二信(じっくりと)

週末にじっくりとXA55ES改を聴き込みました。SCD-1と55ESを取り替えて同じ条件で聴き比べたり、55ESのセッティングを追い込みました。

人間いい音を聴くと瞬時に脳内ファームウェアがバージョンアップされるようです。今回もその事実を見せつけられました。55ESを置いていた場所にSCD-1を置き、ディジタルケーブルも電源ケーブルも55ESと同条件にセッティングして音を出したところ、いやはや参りました。。。これほどまでに残酷な違いが出るとは。。。

音の要素でSCD-1が勝っている部分がひとつもなかったのです。実は99年にSCD-1が背負った期待や投入された物量、機構・部品の精度から機械としては今でも1級品と信じ、何とか意地を見せてくれるものと期待していたのですが、55ES改に全く歯が立たず完敗でした。

以前からSCD-1の堅過ぎる筐体には音の伸びの点で若干の不満がありましたが、セッティング等でそれなりに改善をしていました。しかし55ES改と比較するとどう聴いてもスピーカーまわりに音がへばりついているイメージです。帯域の変極点と堅過ぎる筐体で音がこじんまりしているのかな。55ESは自由奔放に音が舞うイメージ。何よりもこの部分が聴いていて楽しく音楽に入っていけます。

55ES改はエンジンに例えると、スムーズに一気に吹き上がるナチュラルアスピレーションのエンジンのようです。回転の上がり下がりが速く、アクセルワークひとつでドラマチックな走りが実現できます。

同梱いただいたディジタルケーブルも素晴らしい音でした。まさに高回転エンジンの性能をさらに引き出すプレミアムエンジンオイルといった感じ。55ES改とSD05のスムーズネスを一切じゃましない音でした。私の使用していたケーブルも吟味に吟味を重ねたものだったのですが、55ES改の高回転にはついていけなかったようです。別の意味でショックでした(笑)

あと面白かったのは55ES改のセッティングです。私の環境下で無敵のインシュレータ(笑)を使い、前2点・後ろ1点の筐体3点支持でやったところ、音場が一気に縮小してしまいました。インシュレータの場所、置き場所等いろいろやってみましたが、どれも音に躍動感がない状態に。。。入力系の機械で3点支持が効かないのは初めての経験でした。

週末の結果としては、付いている脚の下にインシュレータを設置し、4点に均等に加重がかかるように調整した場合と、何もせずそのままボードに置いたときがのびのびとして好印象になりました。全く想定外の結論でした。

SD05もそうですが、55ESも思い込みを捨ててセッティングするのが重要ですね。何をしても音は大きく変化しますので、じっくりとベストセッティングを探していきます。

第三信(さようなら、SCD-1)

今回の55ES改を聴いて、石田さんがおっしゃった『セットについている水晶発信器の精度を上げることではなく、セットそのものをデジタル出力の時間精度向上のために組み替える』威力に驚きました。7年ほど前にフィリップスのスィングアーム式のCDTのクロックを交換した経験があるのですが、その時感じたことは、クロック自体の精度向上の威力ではなく、クロックを独立電源で駆動することとクロックまわりの高周波ノイズが減ることの効果(そのクロック基盤メーカの高周波ノウハウ)が大きいのではないかと考えていました。そのときの効果は確かにありましたが、今回ほどの音の出方そのものが変わるものではありませんでした。

ちなみに2005/6/26の石田さんのブログ日記を読んでいて、当時のMS1改に使用している波形整形基盤とファンクラブに載っている改造用基盤が違うことに気付きました。新しい基盤を起こされたのでしょうか。ちょっとびっくりしました。

SD05-033も今回の55ES改も石田さん・幹事さんを始め、多くの人の愛情が注ぎ込まれています。込められた愛情は音になって出てきます。そういう機器達で音楽を聴ける自分は本当に幸せ者だと思います。

SCD-1、さようなら。あれほど好きだったのにこんな簡単に別れ話を切り出すなんて。。。
SCD-1から見ると本当に酷い男ですね、俺って(笑)

第四信

H.S/033です。
正直言って今回の音の違いは私の想像をはるかに超えていました。E社やSCD-1のような弩級システムの絶対的優位性は、『精度』にあると思っていました。弱点は精度と音楽性の両立をどうとるか、つまり気を抜くと情報量はあるけど、躍動感が不足してしまう状態になってしまうこと。ただ情報量は豊富にあるので、使い手の技量でどんな音にも持っていけるはずと。しかし、その思い込みも一蹴されることになりました。

SD05の音を他人に説明するのは非常に困難です。説明しても相手は全然違う音を想像しますし。。。55ESやMS1についてはSD05ファンクラブの私でさえその力を正確に把握できていなかったわけです。自宅で聴いてようやく真に理解する始末ですから。。。ちょっと反省です。SCD-1を手放すことにしました。これはSACDを聴かないことを意味しますが、55ES+SD05で十分以上です。最後の大仕事は新しいスピーカーを選ぶことだけですね。

SD05ファンクラブはずっと応援していきます。こんなに温かい機器と人達にそうそう出会えるものではありませんし、毎日SD05で音楽を聴くのが楽しくて仕方ありませんから。
今後とも宜しくお願いいたします。

以上
by SD05club | 2007-05-23 10:53 | Sound Cafe
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