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【無知の知】

T.U/099です。

先日、3時間ほど集中してタッドさんのCDをリピート再生していたので、感想を。

聞き終わった後に、別なCDをかけると「えぇぇぇ~~~」と叫んでいました。「こんなに音が悪かったのか…。よくもまぁ、なんの疑問も持たずに今まで喜んで聴いていたものだね。」という意味です。このCDを聴いていることによって自分の脳みその中にある、音楽だったりオーディオだったりの“Standard/基準”が変化していくのが分かります。

大きな変化です。でも慣れるのも早いです。一日経過するとさも「ずっと昔から、この基準で生活していたかのように」感じている自分がいます。従来の価値観・基準値がガラガラと激しい音を立てて崩壊しつつも、新しいシステムはいつの間にか音もなく、誕生・定着し、そこに確かに存在していてすでに当たり前のことになっている、というような感じでしょうか…。ある意味、任天堂DSや100マス計算みたいな脳トレですねこのCDは。聴くだけで、脳力開発な感じです。

炊きたてのご飯の香りの微妙な違い、梅干しの味、自分が吸っている空気、雨の日の気圧の変化などなど、あぁこの部屋にずっと暮らしいるけれど、同じものを食べて同じ町にいるけど、私はまだまだ知らないことがあるのだな、気づいていなかった差異があるのだな、ということを感じました。
たとえば、このCDを聴く前の私の脳みそでは関知できなかった差異に気づける。同じお米を同じ水加減で、同じ炊飯器で同じように炊いたとしても、脳に何らかの"一回性"のある刺激が加わって加速し始めた後だと、毎回その差異にいやでも気づくようになると。

「タッドさんのCDでご飯の味が変わります!」とか言い出したら、確かに宗教的というか、頭おかしいんじゃないの?と言われるでしょうが、これも人の心と、脳の中にある心理でしょう。要するに、見ようとしていないものは何度見たとしても見えない、ということです。従来のオーディオとこのCD+SD05の音について正確に伝えるのは、難しいなということです。

たとえば、“オーディオ”と一言で書いたら、どのオーディオ?となりますよね。上で書いているように『従来のオーディオ』としているのも定義が曖昧ですね。こういう場合、種々の解釈の余地をなくすために、今まで誰も使っていない“手垢のついていない”言葉を使うことが望ましいので、石田さんの言葉を借りて『パワーDACオーディオ』としましょうか。ソフトにしても、タッド氏のステレオ録音CDとそれ以外のものと整理してもいいかもしれません。

でも、この場合でも、オーディオにも、いろいろあるよね。ということを認識できる人相手ならば、この二つの定義を伝え、実際に音を体感してもらうことで理解してもらうことが可能だとは思いますが、最初から、絶対に箱は一つなのだ!俺は絶対にこのシステムの中から出ないぞ!と居座ってがんばっちゃっている人、天動説論者みたいな人は、「それでも地球は回っているんだよ。」といくら石田さんが繰り返して説いたところで、種々の概念の存在自体を認識することができないわけですから、結局、その人には一生わからないものがあること自体が、わからない。

ソクラテスの言葉を借りるならば【無知の知】がない、という状況なのだろうな、と思いました。
ただ虹の色を7色という民族もいるし、いいや5色だ、え?色?なにその単語?という民族もいます。しかし、その区分する数と、その人たちが幸せであるかどうかは、比例関係にあるとは、必ずしも言えないと思います。でも、7色の虹の生き方のほうが、人生の密度?みたいなものは間違いなく濃くなるとは思いますが…。
by SD05club | 2008-02-11 21:15 | Sound Cafe
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