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パラゴンをマッキントッシュ275とマランツ7で

石田です。
エアコンも入れずに窓を閉めて音楽を楽しめる季節になってきました。そんなところに電話での問い合わせが入りました。
SD05についてのお問い合わせですが、ご使用のシステムをお聴きしてお返事に困りました。ジムランのパラゴンをマッキントッシュの275とマランツの7で鳴らしているとのことでした。すぐに浮かんだのはファンクラブにも投稿されている017/M.Aさんのサロマ湖の夕日に出てくるホテルのロビーでした。

そして次に浮かんだのは40年前のソニーの大賀さん(当時は企画デザインの部長だったと記憶しています)の部屋です。入社まもなく担当していたテープレコーダーの説明に呼ばれていった大賀さんの部屋にパラゴンがあったのです。持参したレコーデットテープは4トラで、曲はユージンオーマンディー指揮フィラデルフィアの『新世界』だったと思います。秋葉原の東洋堂で購入したもので給料の1/5くらいしたと思います。

説明を忘れて『掛けてもいいですか?』と聴いたところ『いいよ』との返事に聴き始めました。そのうち大賀さんは会議があるとのことで部屋を出て行かれましたが、帰ってきたときにまだ聴いていたので『君はクラシックが好きなのかね?』と聴かれ『好きでやってます』と言ったところその場でN響のチケットを出し、『私は行けないので変わりに行ってきなさい』と言われ感激しました。そんな思い出のあるパラゴンですがSD05でどう鳴るかと聴かれてもお返事のしようがありません。ビンテージに詳しいファンクラブのKさんに相談されるのが一番良いのではとお話を終わりました。

こんなことを書いているうちに東洋堂で出会った初代オーディオ協会の浅野先生やテレ研のことなどが思い起こされてきます。当時とは比べ物にならないくらい進歩したオーディオですが音楽に接する気持ちは進歩とは関係なくその時その時の感動が一番だと思います。
by SD05club | 2006-10-17 04:23 | 石田さんから

有楽町で開催されていたハイエンドショーが終わりました。

石田です。ハイエンドショーのPSDのコーナーにおいで頂いたお客様ありがとうございました。すでにSD05をお使いのお客様も何人か見えられました。なかでも広島の040さんや岩手からおいでの006さん遠くからありがとうございました。また、お手伝い頂いた方々本当にありがとうございました。

振り返ると9月2日のオーディオ店での試聴会、16日の那須弦楽亭でのレコードコンサート、21日からはPSDのT2を使っての4日間の横浜A&Vフェスタ、29日の杉並公会堂のレコードコンサート、10月6日からのハイエンドショーまでイベントの連続でした。

今回のハイエンドショーは天井が低く騒音も多い音響的には不十分な会場でしたが、空間に展開されるオーケストラの臨場感に多くの方がSD05とPSDのスピーカーシステムT2にオーディオ音楽の更なる可能性を感じられたと思います。

さて、この期間にお客様の声から感じたことがたくさんあります。そのなかでも一番感じたのは『T2のような大掛かりなスピーカーでないとこの音場は出ないのでしょうか?』というものです。
試聴会などのイベントでは大勢の方を対象とするのでどうしても音量が大きくなってしまいます。オーディオ店などで試聴して良いと思って購入したけれど自分の家では思ったように鳴らなかった経験をお持ちの方も多いと思います。この原因は部屋の条件と音量にあります。アンプ、スピーカー、部屋がお互いに影響し合っているからです。その点、SD05で鳴らす音楽は大音量から小音量まで音場が変わることがたいへん少ないのです。

小型スピーカーでは十分な音量と低音を再現することは困難ですが自分の環境に合わせてほんの少し低音をあきらめれば十分な音場を再現し音楽を楽しむための臨場感を得ることが出来ます。むしろ小型スピーカーの方が置き場所などの条件を考えると音場は再現しやすいはずです。

本来、音楽を楽しむためのオーディオはプライベートなものですから楽しみ方は自由です。
自分の環境にあわせてシステムを構築するのが本筋です。第一は音量です。これはアンプのボリュームを回すだけで自分の好きな音量を選べます。実際には大きな音を出したいけれども環境が許さない場合が多いのが現実です。そんな条件は別にしてオーディオ音楽では小さい音量の方が楽しめる場合も多いのです。SD05のお客様の中には狭い部屋で小音量で音楽を楽しんでいる方が何人もいらっしゃいます。そんな方の声がファンクラブにもっと寄せられることを期待しています。
by SD05club | 2006-10-09 12:49 | 石田さんから

A&Vフェスタお礼

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サウンドデザイン代表の石田です。4日間のA&Vフェスタを無事に終えることができました。
会場にお越し頂いたクラブの方、またまもなくクラブへの仲間入りをされる方、ありがとうございました。

実演のCD演奏では十分な時間が取れませんでしたが『音楽を楽しむためのオーディオ』を前面に出した構成としました。
説明不足の部分もありましたが、有意義な時間を過ごしていただけたと思います。サウンドデザインの持ち時間が終わってからのご質問や、一時間後にまたおいでになって聴かれていたお客様が印象的でした。

ファンクラブの主催で開かれる杉並公会堂でのレコードコンサートはA&Vフェスタの延長ではないでしょう。すでにSD05をお使いの方もそうでない方も(私自身も)レコード再生音楽についての貴重な体験になることは間違いありません。ぜひ時間を作っておいで下さい。

有限会社 サウンドデザイン
代表    石田正臣

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by SD05club | 2006-09-26 20:33 | 石田さんから

無帰還へのこだわりをデジタルで達成

サウンドデザインでは昨年から進めておりましたデジタルアンプの設計が完了し、9月より受注を開始いたしました。モデル名はSD05です。ここではSD05の概要と特徴、無帰還にこだわった背景を簡単に解説いたします。
サウンドデザインのデジタルアンプは、ソニー(株)が開発したs-masterプロセッサーをコアにした負帰還のないアンプです。技術的には増幅器の構成をとっていないので、スピーカーを駆動できるD/Aコンバーターです。
一般的にスピーカーを駆動するものをパワーアンプと呼んでいることから、ここではデジタルアンプと呼ぶことにします。

技術のポイント

ここ数年のうちに、各社からデジタルアンプが発表されていますが、大きく分けて「負帰還を持つ増幅器タイプ」と「無帰還のD/Aコンバータータイプ」があります。
いずれのタイプも出力段の動作はスイッチング方式で、従来からDクラスなどと呼ばれていました。スイッチングアンプは供給される電源の質によって音質が左右されやすく、スイッチングには数ナノ秒の時間が掛かるため、この部分がデーターどおり再現できず、ひずみとしてあらわれます。

製品の設計にあたっては、ここから先の考え方に 大きな違いがでています。スイッチングアンプの良さを採りながら電源への依存度やスイッチングのひずみを改善するために総合して負帰還を用いたのが増幅器タイプです。
一方、スイッチングのひずみは残るものの、負帰還還に伴うさまざまな問題を解消するため、負帰還を使わずに実用に十分な特性を得ようとしたものがD/Aコンバータータイプです。
負帰還に伴う大きな問題は、アンプが駆動する相手がスピーカーだということにあります。スピーカーはLCRの要素があり、また電気機械系なので部屋の音圧により起電力が発生し、その成分が負帰還回路を通して入力側に戻りアンプに影響を与えてしまうことです。
これらのことから、スピーカーの置かれる部屋の特性や設置の仕方などを含め、大きなループが形成され結果的にそれぞれが干渉しあうことになります。

当社が採用したs-masterプロッセッサーによるアンプは負帰還をもたず、生成されたPWMデーターによりそのまま電力素子を駆動し、簡単なローパスフィルターによってアナログ信号を得ています。
また、出力段の動作は最適値を確保するためにタイミング調整は一台ごとにおこないます。
構造は十分な安定度を持つ大型の電源を左右対称に配置。余分な配線材をなくした一枚基板で構成し、音質だけでなく信頼性の向上にも努めています。また、キャビネットはアルミの削りだしで密閉構造です。

無帰還へのこだわり

無帰還へのこだわりは今から40年以上前に秋葉原の電気街で部品を買い集めアンプを自作してオーディオを楽しんでいた頃まで遡ります。
特性を良くしようと負帰還を多くかけると高域まで伸びた良い音になるのですが、音楽に躍動感がなくなるような気がしていました。また、負帰還が少ないと独特の音色がして、どの程度負帰還をかけるかという点について思考錯誤していました。
その後、仕事としてテープレコーダーの開発や設計に携わるようになり、原音再生を目指した時期もありましたが。
そして、録音再生を数多く経験するうちに、録音の現場などで音色は変わっても「現場の雰囲気に近く聴こえる方が良いのでは?」とも考えるようになりました。
 そして、決定的だったのが、レコードの製作をしているレコーディングエンジニアと議論をしていたときです。エンジニアから最後に出た言葉が「レコードに原音はない。私が原音だ」だったのです。この頃からレコードは作品だと思うようになり、現在に至っています。
原音再生を目指すのは大切なことですが、サウンドデザインでは、原音再生はオーディオ音楽を楽しむための手法のひとつであると考えています。
アンプのデジタル化はデジタル音源が多くなったこともありますが、無帰還アンプを達成するための手段の一つであると思っています。

生活空間の範囲でのオーディオ

デジタルアンプSD05はスピーカーや部屋の影響を受けにくいため、部屋の構造やスピーカーの置き方に対して寛容です。
また、サイズもコンパクトで消費電力も普通の音量では20ワット以下ですからリスナーの生活空間を大切にしながらレコード音楽を楽しんでいただけます。
サウンドデザインはより多くの音楽愛好家の方々に、オーディオ音楽を楽しんでいただきたいと願っています。

(日本オーディオ協会機関誌・JASジャーナル誌より転載)
by SD05club | 2006-08-08 18:11 | 石田さんから

ファンクラブ開設にあたって

SD05の早くからのお客様のKさん達が幹事になられてSound Design Fan Club を開設されました。このコーナーに対する期待と想いを書いてみました。
 
『自分の知らないことを知っている人が先生』 私の好きな言葉です。
技術屋としての人生40年を支えた言葉でもあります。
世の中には年齢や経験、分野を超えて達人が大勢いらっしゃるようです。
『知らなかったのは自分だけ』が結構多いのかもしれません。
 
私は長年オーディオ機器の作り手として、大手メーカーで開発や設計に携わってきました。
これまでは開発、設計、そして新製品を発売し、また次の開発に進むということの繰り返しでした。世の中に送り出した製品が、どのような方にどのように使われているのかということ。
そしてユーザーの皆さんが、どのように音楽を楽しんでいるのかということを知ることが少なかったのです。
自分としては出来る限り試聴会や説明会などに出向いて、オーディオを語ってきたつもりでした。しかし、それではまったく不十分だったようです。
 
極小ではありますが自分のブランドを立ち上げた現在は、これまでになかった貴重な経験をさせていただいております。
その一つとして、オーディオ機器の使い手の声が聴こえてきたことが挙げられます。
そしてSD05のお客様を通じて、各人各様の使い方楽しみ方があることを知り、感心しきりの最近です。使いこなしに当たって、作り手としては考えてもいなかったようなことに出会うこともしばしばです。開発・設計者としては大変興味深く、大きな刺激を受けています。
 
 『SD05を使うとオーディオ的にやることがなくなりそうだ』とおっしゃる方もいらっしゃいますが、デジタルオーディオは始まったばかりだとも言えます。まだまだ判らないことも多く、やることもたくさんあります。サウンドデザインは、微力ながらこれからも作り手としてオーディオ音楽を考えてまいります。そのためにも使い手としての皆様の経験や考えをお聞かせ頂ければ、これ以上のことはありません。
 
このコーナーが、SD05をお使いの方々のオーディオ音楽の楽しみの幅を広げ、さらなる充実への手がかりとなるよう期待しております。そして日頃からオーディオに熱心に取り組んでおられる多くのオーディオ音楽ファンの方々へ、最良のメッセージとなることでしょう。開発設計を行う一技術者として、そしてオーディオをこよなく愛する一人の音楽ファンとして、今後を楽しみにしております。


有限会社 サウンドデザイン
代表  石田 正臣
by SD05club | 2006-07-18 20:43 | 石田さんから